今年綿


生活

  • よみ : ことしわた
  • 季節 : 秋の季語
  • 四季の節気 : 晩秋
  • 時期 : 10月8日 ~ 11月6日 頃

"今年綿(ことしわた)は、秋に収穫期を迎える綿のことで、白くふんわりと弾けた綿の実が畑一面に広がる様子を表す季語である。綿は春に種を蒔き、夏の日差しを浴びて成長し、秋になると実が裂けて純白の繊維が現れる。この収穫の瞬間は、農作業の成果が実る喜びの象徴ともいえる。 昔から綿は衣類や布団、紡績に欠かせない素材であり、日本でも木綿(もめん)として広く利用されてきた。江戸時代には各地で綿作が盛んに行われ、農村では「今年の綿はよく実った」と、収穫の出来を喜び合う風景が見られた。 畑に広がる白い綿の光景は、秋の深まりとともに冬の訪れを予感させる。実りの秋の終盤を告げるとともに、人々の暮らしを支える大切な恵みとして、温もりを感じさせる秋の季語である。"