動物
"拝み太郎(おがみたろう)は、鎌を振り上げた姿がまるで手を合わせて拝んでいるように見えることから名付けられたカマキリの別称であり、晩夏から晩秋にかけての季語である。 カマキリは夏の終わりから秋にかけて活発に活動し、鋭い鎌を持つ姿や、じっと構えて獲物を狙う様子が特徴的である。農村では害虫を食べる益虫として親しまれ、またその独特な姿や動きから昔話や俳句にも多く詠まれてきた。 晩夏の頃、草むらや庭先でじっと佇むカマキリの姿は、夏の終わりの静けさを感じさせる一方、秋の訪れを予感させるものでもある。やがて秋が深まると、卵を産み、命のバトンを次の世代へと託していく。 その名の通り、拝むような仕草がどこかユーモラスでありながら、自然の厳しさと命の営みをも感じさせる、風情ある晩夏の季語。"