植物
"猫じゃらし(ねこじゃらし)は、エノコログサ(狗尾草)の別称であり、晩夏から秋にかけて穂を出す植物を指す季語である。 ふさふさとした穂の形が猫のしっぽのように見えることからこの名がつき、実際に猫がじゃれて遊ぶ姿が微笑ましいことでも知られる。子どもたちが摘んで猫をあやしたり、草笛にしたりするなど、身近な草として親しまれてきた。 道端や田んぼの畦、空き地などに群生し、風にそよぐ様子は秋の訪れを感じさせる。陽の光を浴びると穂が金色に輝き、秋風に揺れるその姿には、どこか郷愁を誘う趣がある。 夏の名残を感じさせつつ、次第に秋の気配を深める猫じゃらしは、素朴でありながら風情のある季語として、多くの俳句に詠まれている。"