花炭


生活

  • よみ : ハナズミ
  • 季節 : 冬の季語
  • 四季の節気 : 三冬
  • 時期 : 11月7日 ~ 2月3日 頃

"花炭(はなずみ)は、茶の湯や料理の席で用いられる炭の一種で、松ぼっくりや木の実、葉、枝などを炭にしたものである。冬の茶席の風情を彩る道具として用いられ、侘び寂びの美を象徴する冬の季語である。 炭は、専用の窯でじっくりと焼かれることで、元の形を美しく保ちながら黒く仕上がる。松かさ、椿の実、栗の殻、南天の実などが特に好まれ、その独特の風合いが茶席の床の間や飾り棚に添えられることで、季節の趣を演出する。また、料理の盛り付けに添えられることもあり、炭の持つ静かな美しさが一層引き立つ。 冬の寒さの中、温かみのある炭の質感が際立ち、室内に落ち着いた雰囲気をもたらす。炭の黒と木の実や枝の自然な形が生み出す対比には、日本の伝統的な美意識が感じられる。 華やかさとは異なる、静かで奥深い魅力を持つ花炭は、冬の茶の湯や暮らしの中でさりげなく季節を映し出す、趣深い冬の季語。"