行事
"「苔祭(しもとまつり)」は仲夏の季語で、富山県富山市婦中町の鵜坂神社で6月16日(旧暦では5月16日)に行われた独特な祭礼を指します。この祭りは「鵜坂祭(うさかまつり)」の一つで、「尻打ちの祭」「笞太刀(しもとだち)の祭」などとも呼ばれる奇祭として知られています。 祭りの特徴は、神官が参拝した女性に、その年に関わりを持った男性の数を言わせ、その数だけ笞(むち)で尻を打つというユニークな儀式です。この行為には、男女関係の清算や浄化、また新たな繁栄や縁を願う意味が込められていたとされています。 「苔祭」という名前には、苔むす神社の古い歴史や、湿気を含む仲夏の神秘的な雰囲気が重なり合い、自然と人々の営みを象徴するニュアンスが含まれています。この季語には、地方の古い祭礼の情景とともに、夏の生命力や風土の香りが色濃く宿っています。"