生活
"藺干すは、畳表や敷物の材料となる藺草(いぐさ)を収穫し、天日で乾燥させる作業を指す晩夏の季語である。藺草は水辺で栽培され、夏の終わりに刈り取られると、広い場所に並べられ、日差しを浴びながらじっくりと乾燥させられる。この作業によって、しなやかで丈夫な藺表(畳表)が作られ、日本の住まいに欠かせない畳が仕上がる。 田園地帯では、青々とした藺草が黄金色に変わる様子が夏の終わりを告げる風物詩ともなり、干された藺草からは独特の爽やかな香りが漂う。炎天下での作業は重労働だが、その分、仕上がった畳の美しさと香りには、職人たちの手間と汗がしみ込んでいる。暑さの名残を感じつつも、秋の気配が忍び寄る時期の風景を映し出す、晩夏の季語。"