行事
"「削り甲(けずりかぶと)」は夏の季語で、端午の節句に用いられる飾り物の一つです。柳の枝を薄く削り、茅花(ちがばな)のような形にして作られ、それを兜(かぶと)に飾ります。この削り甲には、邪気を払い、子どもの成長や健康を願う意味が込められています。 端午の節句は、菖蒲やよもぎなどを用いた魔除けの風習が多く、削り甲もその一環として、厄災を遠ざける象徴的な役割を果たしていました。柳はしなやかさや生命力の象徴とされ、削り甲の繊細な形が風に揺れる様子には、夏の爽やかな風情が漂います。この季語には、節句の伝統と日本人の自然への敬意、そして子どもを守る優しい心が込められています。"