生活
"冷し牛は、暑さの厳しい晩夏に牛の体を冷やすため、川や池に浸からせたり、日陰で休ませたりする風景を指す季語である。昔から農耕や荷運びに欠かせない牛は、夏の暑さに弱いため、涼を取らせる工夫が各地で行われてきた。特に水辺で牛がのんびりと涼む姿は、のどかで牧歌的な夏の終わりの風景として親しまれ、炎暑の名残を感じさせる。水に浸かった牛がゆったりと反芻する様子には、夏の疲れを癒やすような穏やかな時間が流れ、暑さの中にも秋の気配が静かに忍び寄ることを感じさせる晩夏の季語。"