庵の春


時候

  • よみ : イオノハル
  • 季節 : 新年の季語
  • 四季の節気 : 新年
  • 時期 : 1月1日 ~ 1月31日 頃

"庵の春(いおのはる)は、新年や初春を迎えた庵の静かな情景を指す季語であり、俗世を離れた僧や隠遁者が、簡素な暮らしの中で春の訪れを感じる様子を表す。 庵とは、小さな草庵や僧坊のことであり、禅僧や歌人、俳人たちが世間の喧騒を離れて静かに暮らす場とされる。新春を迎えた庵では、松風が吹き抜け、庭の梅がほころび、うぐいすの声が響くなど、質素ながらも春の兆しを感じる趣がある。 俳句の世界では、芭蕉や蕪村などの俳人が、自らの庵にて迎える春を詠んでおり、そこには華やかな正月とは異なる、静謐で落ち着いた春の情景が広がる。寒さの名残の中にも、新たな季節の息吹が感じられる、新年・初春の風雅な季語。"