行事
"比予利祭(ひよりまつり)は、三重県桑名市の桑名神社と中臣神社(春日神社)の大祭の一つであり、その神事の中でも特に「石取祭」の起源として知られる。もともとは、祭場で使用する石を町屋川から採取し、それを車に載せて曳いたことに由来するとされる。 江戸時代の終わり頃から、この祭りは次第に華やかさを増し、豪華な飾りを施した山車が登場し、太鼓を打ち鳴らしながら町を練り歩くようになった。祭りの熱狂は時に激しい喧嘩を引き起こし、一時は禁止令が出されるほどだったという。現在では、毎年8月の第1土曜日と日曜日に行われ、賑やかな太鼓の響きとともに、夏の終わりを告げる祭りとして多くの人々に親しまれている。 比予利祭は、豪快な太鼓の音と熱気に満ちた風景が特徴的であり、祭りの喧騒の中にも、晩夏特有の夕暮れの涼しさや夏の名残が感じられる。熱狂と郷愁が交錯する、晩夏の季語。"